sawadake-Blog -Third Stage-

今年の春から、また2人となりました・・・

暑すぎる夏

少し技術的な話を。
牛群検定の年間成績、2010年猛暑の影響で、乳牛の分娩間隔が史上最悪だったらしい。
ちなみに鳥取県は441日。
牛の数が全国2/3の北海道は432日。
牛の世界では「1年1産」が目標と言われるが365日より70日間以上・2カ月以上長くなっている。
2009年より5日程度伸びているようだ。
これは、もちろん猛暑の影響がある。


暑いと食べなくなり、体調を崩し、発情が来なかったり・不明瞭になる。
つまり、発情が確認できないため、種付けが行われない。
牛はほぼ全て、人工授精なので、人為的に種付けしなければ受胎しない。


暑いと体温が高くなり子宮内の温度も上昇。
精子や胚も死滅する可能性が高い。
そんな時、冷水で牛を洗う名人もいるが、暑すぎると何頭も洗う時間はない。


牛も危険を感じると生理的に流産してしまう場合もある。
つまり、種をつけられない・つけてもつかない・つけたヤツが流れる。
総じて種が付かず、種付け時期が遅くなり、分娩間隔はながくなる。


もちろん、暑さだけではなく、冬の寒さもハンパ無く影響しているだろう。
昨今注目しはじめているサシバエももちろん大活躍している場面も多い。
いろいろの要素が絡み合っている。


この分娩間隔、昨年成績はまだわかっていないが、大震災の影響で種付けができなかった牛が東日本に多くいるため、更に悪化すると言われている。
そこに来て、今年の猛暑+猛暑。
盆前に涼しくなると見せかけて盆後のこの暑さ。
この油断というか、ギャップが危険の引き金を引く。


乳房炎・繁殖事故・死廃事故が問題になりつつある。
牛もだが、その前に人も要注意。
特に日中は、屋外は本当に危険を感じる。
天気は誰にも止められない。
高気圧が強く、台風も日本を避けて中国に迂回。
きな臭い日本を避けているように見えて仕方ない。