sawadake-Blog -Third Stage-

今年の春から、また2人となりました・・・

記憶に残る仕事

いろいろな農家で個別検討を進めているが、農場成績や経営データも後追いでの現状把握が精一杯。
データ入力に1年以上たった今頃まだ苦悩している農家も多い。
現場での改善取り組みももちろん進めていくが、農家自身が考えず、指示されてやるものには結果を伴わないことが多い。
そんな中、ここ1年掛かって明るい兆しが出てきた取り組みがある。
ここにその気持ちを刻み、共有した内容を忘れぬようにしたい


この取り組みは、1本の電話から始まった。
「今度妊娠鑑定に行くんですが、一緒に行ってもらえませんか」というある技術者からの電話。
以前にも何回か環境対策で伺ったことがあり、最近の状況把握も兼ねてひとつ返事で早速同行。


農家からのオファーはソリマチだったが、せっかくなので全てのデータを頂き集計してみることにした。
集計とは別に農場内のデータの取り方を確認すると、正確なデータが定期的に提供され、
毎月のワークショップは徐々に盛り上がっていき、問題点も自然と絞られてきた。


特筆すべき点は、全ての場面において検討後の決断や判断が農家自身で進められたこと。
また、とても単純なことながら、農家自身が「ちゃんと」していること。
ちゃんとしている、ただそれだけだが、意外とできていない。
家族内でちゃんと話し合う。
ものごとはみんなで決める。
決めたことはきちんと守る。
決められた日までに必ずやる。
何事もまじめに取り組み、正面から向き合ってきた。


過去から思い起こせば、「何故今まで気づかなかったのか」「もっと早く対応できていれば」ということがたくさんあった。
自分自身のことでも、そんなことばかりかもしれない。
いろいろなプロセスがあってはじめて気づくのかもしれないと説明もした。
いろいろなジレンマや反省や、これからのことなどたくさん交錯した。
正しい情報を整理することも大切だが、心の中も整理してひとつひとつ解決する。


その結果、大きな山が動き出した
当面は経営改善が大きな目標となるが、それも時間の問題だと思う。
そして、農家も含め我々はその先に目指すものを既に考えはじめている。
目標は、単なるお金の問題ではない
農業は単なる生産活動ではない


1年間この農家チームではいろいろと大切なことを学んだ。
5年10年経って、どんな取り組みになっているか。
今からワクワクした希望というか期待感が湧き出すことを抑えられない。
この取り組みが、同じような気持ち・期待感を共有することが、各地に広げられないかと関係者の取り組みに期待する。