sawadake-Blog -Third Stage-

今年の春から、また2人となりました・・・

経営・コミュニケーション を考える

仕事柄、○○経営改善という課題が目の前にある。
基本的に第一次産業の農業分野のことになるが、
多くの作物では、お天気さんによって、出来・不出来の差が大きいらしい。
私が担当する畜産は、天気も重要だが、ここの天気ではなく、外国の天気が大きく影響する。
と、言えば他力本願、責任転嫁となりがちだ。


実際の経営検討の場面で、最も大きな問題は「共通認識」の欠如である。
経営に携わる人、全員の意思疎通の無さだ。
コミュニケーションとも言う。
それがないから、共通の目標もない。
目標がないので、それに至るプロセスも思い浮かばない。
ただただ、毎日決まった任務を遂行するだけ。
コミュニケーションが円滑でなくなると、とても味気ない生産活動となり、様々な事故や損失が生まれる。
そこには、効率的な業務とか、助け合う精神とか、前向きな気持ちは無くなり、お互い責任のなすりつけが起こり気味だ。
生産性向上にはつながらない。


そんな究極の場面になって初めて緊急的に招集され指導を任される。
いい大人に対して教育的指導をはじめることとなるが、
多くの場合は、現場の問題をいち早く把握し、問題点を明らかにして、
緊急オペ的に悪いところを取り除いたり、縫ったり。
まさに外科的な対応だが、それで全て解決するかと言えば・・・???


過去にもいろいろな人が対応してきたのに、未だに失敗をくり返す人も多い。
何故だろうかといつも思いつつ、自分の指導力の無さにも沈みがち。
最近、この手の問題が多すぎる。
何年もやってきてダメなんだから、向いていないのかもしれない。
指導者も、農業者も。
人が変わるか、人を替えるか。
そんな答えのない自問自答をくり返す。


それでも、自発的に「改善」を図れるように考えてみる。
一つは、常に現状確認の方法をなるべく簡単に継続して行えるようにすること。
次に、それを経営内の全員が共有すること。
父母息子従業員、全員で。
その繰り返しの中で、目標を見いだし、目標へのプロセスを自分で発見することだろうと思っている。
即効性もなく万能性もない。
たぶんこれは普遍的な改善方法だが、最も効果的な方法なのかもしれないと言い聞かせながら。


そんな畜産での取り組みを、所内全体に広めようという考えがある。
主査になってしまった「経営課題」。
なった以上は、前年までのあま温い取り組みは捨て、ある程度時間と労力をかけた取り組みを貫こうと決めた。
幸い関係ないのに畜産専技も荷担してくれ、今月から隔週月曜日の午前に経営課題個別検討が年度末まで続く。
3時間×10日間=30時間/15戸=1農家あたり1時間×2回
指導側の作戦会議だが、どんな話し合いを持つか、取り組みをはじめるきっヵけは何だったか、心の変化に着目し、特に息子や夫婦間の意思疎通に重点を置いた話し合いとなる。
経営主のオヤジさんとの話は、だいたいできる人が多いが、夫婦や親子揃って話し合いを持つことができない場合が多い。
それを打破するのが目的となる。


面白いのは、経営課題の検討を始めた途端、技術・技術と普段走り回っている普及員の口から技術論が一言も出なくなったことだ。
対象農家には、負債・複合・高所得といろいろあるが、どの農家の検討でも、最先端や高い技術力は必要なく、もっと大切なことは農家内のコミュニケーションであることが一目瞭然となっている。
必要な技術は、本当に基本的な部分だけだということもわかってくる。
更には、自分自身のコミュニケーション能力が低いことも思い知らされる。
かくゆう私もその一人。


そのため、普及員が農家の家族や従業員を集めて話し合う機会を作れない場合が多い。これは、かなり決定的な問題で今後の課題。
夫婦、親子、会社、様々な単位の中で、話あい・情報を共有することこそ、円満な経営への一歩なんだとつくづく思う。


11/22はいい夫婦の日だそうだ。
家族や夫婦でも、理屈は同じだと思う。。。