sawadake-Blog -Third Stage-

今年の春から、また2人となりました・・・

連携とイノベーター理論  

http://marketingis.jp/archives/2365

以前にも紹介したと思うが、モノなどの普及過程では、いろいろな現象が起こっている。
もしドラ」では、マーケティングとイノベーションが重要だと学んだが、このことは我々の活動に置いても重要なヒントを示唆してくれる。


現場農家の実情を踏まえた取り組みを開始するが、
基本的な技術の踏襲だけでは改善しにくいこともある。
ここ10〜15年間を見ても、大きく前進・普及したことには必ずイノベーション効果が不可欠だった。
耕作放棄地→和牛放牧→ピロ対策薬剤→安価で高機能の電気牧柵
・安全な飼料→飼料用イネ→乳酸菌添加→専用収穫機
・暑熱被害の拡大→カウコンフォート→安価なエポキシ樹脂やサシバエネット
・繁殖ロス→繁殖検診→安価妊娠鑑定装置


昨日の所内実績検討では、ただ日頃の活動を紹介するだけでなく、ここ3年間の取り組みをとりまとめた成果のあがった取り組みがあり感心した。
一言で表すとそれは「連携」というキーワード。


今年度から県内では総合支援班というプロジェクト的な取り組みを総括する班ができた。
一見とても機能的の見えるが、統括者が不在となれば、それはただの寄り合い所帯のままだろう。
唯一機能的に活動を展開していると聞く。
たぶん統括者の能力からだとは思うが、それ以上に各メンバーの反応もいい。
そればかりか、その取り組みは他の班員にも影響しつつある。


そのひとつが、野菜班と生活班コラボ企画の白ネギ皮むき作業効率の改善指導。
白ネギは、畑で栽培した白ネギを抜いて帰り、出荷調製しなければならない。
新規就農者も多く取り組んでいるが、栽培は出来ても出荷調製に時間が掛かるため、面的拡大が図られない場合が多いと聞く。
3年前に梨農家でも、個別選果する作業場の台の大きさや作業動線、蛍光灯照度アップなどを手がけていたが、
白ネギ作業の調査を行い課題を洗い出した。
丁度、新規就農者も増えつつあるが、同時に出荷調製の問題もわかり始めた時だった・・・


いち早くこの点に目をつけて、新規就農者を中心に現地調査と改善運動が始まり、ここ2年間のうちにかなりの改善効果を確認することにつながったとのこと。
白ネギ1ケースあたりの出荷調製時間が半分から1/3に圧縮されるとともに、栽培面積の拡大や拡大に伴う作型検討が進みつつあるようだ。
東部管内で約200戸の白ネギ農家。
とりあえず10戸ほど改善した。
高齢化が加速する中なので、全部改善はムリとしても、作業が快適化されれば、疲労が軽減したり労働時間の短縮にもつながるはずだ。


この発表に際して、イノベーター理論について紹介した。
最初取り組む人は、「イノベーター」革新者とも呼ばれ、新しいものを積極的に試してみる人たちです。
イノベーターの方々は社会全体の2.5%を構成するようです。
続いて「アーリーアダプター」流行には敏感で、自ら情報収集を行い判断するグループで、全体の13.5%ほど。
オピニオンリーダー」とも呼ばれます。
この2つの16%が、この技術が普及拡大するか否かを握っていると。


普及率16%の壁。
これを越えることを普及は常に意識して活動していく必要がある。
200戸の16%とは、わずか30戸ほど。
しかも、全て比較的若手で、行動力があり、生産者の中でも中心的な人。
この30人が、良いと認めた技術ならば、あとは放って置いても普及拡大するという理論。


生産農家段階での技術普及が進むための検討は、今年春までの次期3カ年計画にどう盛り込んでいくかに掛かっている。
そして、この取り組みは、野菜と生活班がお互いに課題解決に向けて役割分担しながら取り組んだという点にポイントがある。
コバヤシ・ヨシダらとナンバさんのコラボ。
農家との信頼感。
改善データの提供。
具体的かつ低コストな改善。
ビフォー・アフターデータのとりまとめ。


どの分野でも、これに似た取り組みのネタは転がっているだろう。
大切なのは、それに気づくアンテナと気づいたら即行動開始できる実践力だ。
そして、連携が分担のできる連携となること。


実績検討を聞いていて眠くならなかったというのは、やはり活動の成果なんだろうなぁ・・・