sawadake-Blog -Third Stage-

今年の春から、また2人となりました・・・

ドロマイトな会話

珍しく仕事ネタ。

 数年前からドロマイト石灰を屋根に塗布する取り組みが始まったが、

今年は東部でかなりの農家で塗布作業を行った。

岩美・国府・八頭・八頭・八頭・青谷・国府・・・

私が参加したモノだけでも7戸。

基本的に白畜波や白FRPの屋根には必要ない。

また、屋根散水している農家も必要ない。

 

効果が大きいのは、スレート素材やトタン・ガルバニウムなどの金属素材の屋根。

特に青谷赤など色が濃くて、夏場に高温となるもの。

石灰自体は以前から塗布する取り組みがあったが、溶けにくく、詰まりやすく、しかも塗布後に雨で流れやすいなど、費用対効果が薄く感じられていた。

 

ドロマイトは、その点きめ細やかで、溶けやすさはピカイチ。

動噴の機械に詰まることもほとんどない。

 

さて、その効果は???

盆前後に現地で放射温度計で測定したところ、

屋根裏温度

スレート 未処理50℃以上、処理35℃前後

トタン  未処理50℃以上、処理30~35℃

ガルバ  未処理50℃以上、処理35℃前後

 

面白いのは、未処理屋根表面だと70℃で、処理35℃と倍半分だったものがあったこと。

すさまじい温度上昇防止効果が確認された。

畜舎内は扇風機で風が家畜に送られているが、屋根が熱いと送る風も当然熱くなる。

また、屋根全体が焼けることで、輻射熱となって遠赤外線効果で屋根温度が屋根下にジワジワと伝わっていくそうだ。

屋根から不要な熱が屋根下に伝わることで、牛達は日々疲れ、食欲を失い、生産性の低下に繫がっていくが、もっと深刻なのは発情が不明瞭になったり、来なかったり、来ても受胎しなかったり・・・

これは翌年の分娩を遅延させることから、発情や種付けが1周期遅れるだけで大きな損失となって現れる。

 

ドロマイト、来年はもっと効率的に、そして濃度を研究していきたい。

冬の間にどれぐらい剥がれているのか・・・

基本的には、農家自身が自分で施工できるようにする必要があるだろう。

関係機関に頼っているのではなく。

 

ドロマイトもいいが・・・

この暑さの連続だと、もっと進んだ対策の検討が必要ではないかと考えてしまう。

子供のころ、私たちはエアコンなんて無かったし、そんな生活を考えたこともなかった。

そう、エアコンだ。

 

1つの案としては、屋根に発電パネルで、家畜用エアコンを装着して運転すること。

2つ目は、敷地内の地中5~10メートルに地下トンネルを掘って、地中温度(15℃程度)を利用した自然クーラー風を、畜舎ベッドの頭辺りに吹き出すスポットクーラー的な取り組み。この送風部分をソーラー発電でまかなう方が現実的か?

 

いずれにしても、ただ単に温度上昇を抑えることや、送風によって家畜の体温上昇を抑えるだけでは、牛の生産性低下を防止できなくなってきているように思えてならない。

 

牛の水風呂とか。

天然クーラー牛舎とか。

面白そうな取り組みを実践してみたいものだ。