剣岳を登る
H23年8月母方の叔母が雨中の剣岳で亡くなってから5年近く経った7月末、いつか登って弔うという願いがようやく叶った。
7月30日朝鳥取を出て、午後富山側からアルペンルートに入る。
まずはケーブルカーで標高を上げ、続いてバスで1時間ほど揺られると室堂に到着。
麓を発つ時に室堂は土砂降りとアナウンスがあったが、そのとおりバスの途中から土砂降りとなり、室堂を歩き始めはカッパと折りたたみ笠を利用する羽目に。
初日の宿は、室堂から20分ほど歩いたところにある雷鳥荘。
温泉風呂もある山小屋。
夜には雨も上がり、天気は回復基調らしく、期待が膨らむ。
翌朝、5時過ぎには宿を出発する。
眼下に雷鳥沢が見え、多くのテントが色とりどり。
一端、あそこまで下ってから500㍍ほど登り返すと、別山乗越の峠でいよいよ剣岳が顔を出すはず。
6時 別山乗越に到着。
山荘の後には、別山から後の立山を目指す人が・・・
我々は、左側の谷を下って剣岳方向に。
7時剣山荘につき、この日の宿泊予約と荷物をデポしてから一路剣岳に向かう。
往復5時間ほどの行程だが、天気が良ければゆっくり味わいたい。
まずは、一服剣への登りをハアハア言いながら登る。
標高が高いため、少しの負荷でも辛く感じる。
きたきた!
この景色!!
これこれ。
一端下ってから、次は前剣。
ここまで来たら、ガスが出始める。
山の天気は変わりやすいが、なんだかガスの中にある剣は色っぽい。
ここもまた下ってから、次は平蔵の頭に登り返す。
平蔵の頭を過ぎると、難関の「カニのたてばい」が来る。
この辺りが亡くなったトコロではないだろうかと思いつつ、合掌。
たてばいの上部から。
ビル約3階分の垂直な岩の壁をくさりと岩に刺さった鉄棒などを頼りに登る。
ガスで高度感は今ひとつだが、おばさまはかなり苦戦・渋滞する名所のようだ。
幸い、登山時間が人気時間と2時間ほどずれていたので、ほぼ渋滞はなかった。
たてばいを過ぎると山頂直下は岩が砕かれた採石地帯。
右上の方向に山頂がある。
10時前、2999㍍に登頂。
山頂は超満員&ガスで展望は効かず。
しばらくゆっくりしてから、早月尾根方面に30分ほど下ってみた。
こちら側もなかなかの厳しい岩場。
再度登り返して、11時過ぎに下山開始。
下りは「カニのよこばい」という名物危険地帯が待ち受ける。
ここを先行していたおばさまが10分以上独り占め・・・
垂直の岩場を下る際のステップが上から見えないため、足を恐る恐る伸ばして探る必要があるが、女性の場合、足がステップに届かないため・・・なかなか下れないようだ。
その危険箇所を雨とか風が強ければ、我々も通りたくないなぁと思うほど。
天気が良いアルプスの山中では、こんな景色が溢れている。
午後1時には剣山荘まで戻り、部屋に入って夕方まで寝る。
起きたら・・・夕立があったらしく、宿に到着する人は皆カッパを着ていた。
山は日常を忘れ、時間も忘れさせる。