3.16 せめぎ合い
税務申告も間際となり、苦悩している人も多い。
そしてその苦悩には様々ある。
☆今年の傾向
アベノミクス効果なのか、市場価格の高位維持によって生産物単価が近年まれに見る高水準となっている。
その結果、価格差補填の補助金がほとんど発動されていないため雑収入は激減。
収入合計は生産量に変動がない場合は25年と大きく変わっていないが、生産性の改善や規模拡大を図ってきた農場は、その伸びがとんでもないことになっている。
従って所得の桁が違ってきたケースもザラとなる。
所得から控除できるものがないかと、必死で探す。
今まで計算しなかった「肉用牛免税」をラクノウが真剣に。
残念ながら和牛肥育農家にはこの制度は恩恵がない・・・
申告書にある「小規模企業共済」という、今まであまり関心なかったランがあるが、
これを使わない手はない。
退職積立年金のようなもので、全額所得控除される。
最大積立額は7万円、年間控除額は84万だが、所得税だけでなく住民税や国保・保育料など・・・所得から計算されるものは多いからかなりのメリットがある。
☆消費税
4月から8%となり、差引計算で納付する額もうなぎ登り。
特に前述した販売が伸びたケースでは、補助金などの不課税が減っているのもあわって目を疑う額となっている。
一般に55万円を越えると中間納税となり7月には次の納税となるため資金繰りが結構大変となる。
やはり納税積立が必須だろう。
2回以上の納税は、400万以上からだが、近い将来そのケースも出てくるかもしれない。
☆完成の時期
1月の経済貯金明細や乳代精算書が出るのが1月下旬だから、早い人は1月まで終わっているが、遅い人はまだだろう。
明日夜、税務署のポストに入れる人も多いと聞く。
この差は、生産規模や販売額・事務量とは相関がない。
早い人は早い。
儲かる人程早い。
頭の整理ができる人程早い。
決算は、頭の体操であり、ただの数字の集計ではないようだ。
未払未収をどう考えるか。
支払いサイトのこともある。
複雑怪奇なソリマチを持ってきて、どこがおかしいか聞く方が多いが、
本人がわからない物件の間違い探しはなかなか難しい。
原理原則がわかっていないのに、どうでもいい部分でこだわっているものが多い。
見つけるのに数時間、直すのに更に数時間・・・
今年分はそれなりの形となっても、また年が明ければ同じ間違いを繰り返す事例も多い・・・
教える側の問題なのだろうか。
せめぎ合いは続く。