紅葉を見て輪廻転生を思う
里山にも紅葉が降りてきた。
いくつだったか息子がまだ小さかった頃、じいさんと散歩していて紅葉した山を見てこう言ったらしい。
「じいちゃん、山が燃えようるなぁ」と。
じいさんがえらく感心して、散歩から帰ってきて教えてくれた。
山が燃えるように。
春新芽を吹き、夏花を咲かせ、秋実をつけた後、冬紅葉して枯れる。
四季毎に何かしら楽しませつつ、長い冬を経てまた繰り返す。
いや、1年1年積み重ねていくのが正しいのかもしれない。
まさしく輪廻転生と言われる所以か。
年と共に、そのサイクルの最後となる紅葉の時期が気になって仕方ない。
山を見ているだけで飽きなくなった。
雑誌などで見る涸沢なども素晴らしいが、身近な山でも鮮やかに色づいている。
人生に於いても、新芽を吹く青々しい時期があり、二十歳を過ぎて花が咲き、結婚して実を結ぶ、そして時間が経過して紅葉して後世に行くのだろう。
人生における紅葉期とは、いつを指すのだろうか?
星は爆発する寸前に光り輝くらしい。
さて紅葉期はいつ、来るのか来ないのか・・・
この前の幹部会議でも、輪廻転生について議論があった。
今の人生では先輩・後輩として見えるが、実は人間1回目と数回目の人がいる。
いろいろと至らぬ点が多い人は1回目の人だと思うと。
繰り返し繰り返し経験を積むことによって出来ないことも出来るようになる。
のだそうだ。
もしそうだとしたら、螻蛄から始まって何年かかって人になるのだろうか?
また、そうならば自分は1回目なのか?
意味もなく???だけが浮かび上がる。
意味のないようなことを、真剣に考えるのもまた面白い。