sawadake-Blog -Third Stage-

今年の春から、また2人となりました・・・

月のチーズ  その2

先週も汚水処理に関して質問の電話があり、説明しながら話を聞くこと30分。

 

Q1 ブロワーの機種選定で迷っている

日立ボルテックスと東浜ブロワーの2つを業者が選定したようで、ボルテックスは風量が大きく安いが3メートルまで空気を吐き出せるか? 

 電話ではわからないので、詳しい機種などFAXしてもらう。

 確かに安く空気量も多い。

 深く空気を送るための静圧確認をするため、平成12年に受けた畜産環境アドバイザー研修汚水処理編in岡山の資料を引っ張り出して確認する。

 そしてネットでカタログも確認したら・・・

 わかりました。

 ボルテックスとは、堆肥舎用のカタツムリ型のブロワーでした。

 これでは空気は送れないですね。

 以前同じ間違いを酪農家&酪農業者がやっちまい、深さ2メートルで空気が出なかったことがあります・・・

 マツダのロータリーエンジンを逆回転させると空気が圧縮され、その空気をチャンバーに貯めて配管に流すようなブロワーが必要なんですが、ロータリーというとカタツムリ型の送風ブロワーもロータリーに似た形なので、そうなっちまうんですかね?

 

Q2 汚水処理の特別な菌

出入りの業者がとてもいい菌があるからそれを入れろというが必要か?

 

 この手の話はたくさんあるが、大活躍したという話がどこからも聞こえてこない。

 つまり、特殊なことはどこにも起きていない。

 基本的な大切なことを守って運転すれば、特別な菌は必要ない。

 汚水処理の基本事項は、投入される汚水の性質が一定で均一であること、汚水の負荷が大きすぎず、負荷に対する処理能力を過大に見積もらないこと、容積を確保すること、曝気量も確保すること、外気温が極端に低かったり、高かったりしないこと。

など特別なことはない。

 

Q3 最初の汚泥

運転開始時の汚泥をどこからか持ってくるか?

最初は水を満水にして、その中に汚水を投入するようにすると徐々に汚水濃度が高まり、徐々に汚泥が形成される。

沈殿槽に汚泥がたまり始めたら、最初の槽に返送する。

全体の曝気槽に汚泥が安定するまで時間が掛かる。

汚泥量が増えすぎたら、沈殿槽から水中ポンプで抜いて農地に還元する。

下水や集落排水と違い、凝集剤を使っていないので、汚泥は普通肥料ではなく、堆肥と同じ特殊肥料の扱いを受ける。

 

知らないことは、体験しないとわからない場合が多いが、

できれば、予備知識を得ながら予習復習して経験値を上げる方が良い。

この施設は、チーズ工房なので、牛乳・洗浄水がメインの汚水。

糞や尿などの有機物が少ないので、脂肪球などが出来る可能性高い。

助言としては、汚水だけでなく堆肥などの有機物を定期的に投入する。

 

言葉で説明しても、相手に伝わっているのかどうかわからないので不安。

やはり、写真やカタログで確認作業が必要かと思う。