sawadake-Blog -Third Stage-

今年の春から、また2人となりました・・・

地域振興を考える

最近、自身の仕事は、個別農家の経営改善が最大のテーマのため、地域を意識した活動は少ないが、
長崎では、その個々の経営体の集まりである地域の力をマザマザと感じさせられた。
圧倒的な数の上に立つ優位性というか、底辺土台の広さ・厚さでは、南九州にはかなわない。


これは産地の強さというか、梨生産部などでも同じ傾向にあり、県内で言うと東郷などは部落ごとに生産組織と指導組織があり、それが集う町内部会がある。
この生産組織が脆弱化すると国や地方に頼る傾向にある。
頼られるのもいいが、頼られ方というか、今後の方向性は考えなければならないだろう。


さて、これとは別に、佐世保の会議で「フリーデン」の話を聞く機会に恵まれた。
養豚で今一番の話題の会社。
生産から販売まで徹底した品質管理と一貫体制、今年の農林水産部門天皇杯。
神奈川に本拠地があるが、生産は群馬・福島・岩手・秋田の山間部。
市場価格からの脱却や衛生危機管理もいち早く取り組んでいる。


話の中で「日本の国産安全神話」が崩壊しはじめていると聞いた。
ひとつは、極めて深刻な高齢化。
50台・60台は序の口で、70台・80台の高齢者の生産現場。
ここでの畜産物の作業性・安全性ってどうなの・・・
海外依存の原料も。
いろいろな部分が空洞化していると。
フリーデンは飼料米を早くから提唱し、若手職員の育成に力を注いでいる。
飼料米は、中山間の田んぼを活用し、職員は東北の田舎の人材にもなっている。
これは、言うほど簡単なことではなかったようだが。


今や鳥取でも山村は高齢者で何とか持っている。
除雪ボランティアでも感じたが、雪下ろしを手伝う人自体が高齢。
該当家の息子達は都会で悠々と暮らしている一方で山村は押し潰されそうになっている。
バランスが悪い。


私も見事な山村に生まれ、山は静かさをいつも感じる。
特に雪がシンシンと降る時が最もいい。
山村に元気が出ることはないかと最近はいつも考えるようになってきたが、そのきっかけは若桜だ。
ここは、谷間の風景もいいが、元気な人が多い。


私たちが出来る地域振興ってなんだろう。
ひとつは、自転車で走ることだろう。
乗鞍など、さすがにスケールが違えど、自転車乗りが通うことで元気が出る。


今度開かれる八東ヒルクライムなどは、そのモデルとして取り組みや、今後に期待がかかる。
氷ノ山、緑資源、河合谷、上地、佐谷など、たくさんルートはある。
参加する必要はないが、走りは見てもらいたい。
その点、氷ノ山などは沿道に家々があり良いと思う。


もう一つは、やはり地域産業を振興したいところだ。
和牛放牧もそのひとつで、まだまだその可能性は高いはずだが、如何せん指導能力不足。
私も含めて推進力が足りないのは反省材料だ。
ただ、農業・畜産ばかりではなく、ここ数年考えているのは、発電事業。
脱原子力によって加速しているが、もともと風・水・太陽を利用することに、とても興味がある。
東部ではどんづまり集落ごとに、集会所ではなく、水力発電所を作ればいいのにと思う。
そこでの雇用や売電経済効果など、立地条件に合うところはかなりある。


それぞれ、仕掛ける側と実践者に別れるが、私はまだまだやりたがり派。
次の仕事として真剣に考えたい。
最近では、山岳小屋は、太陽光発電で半分以上電気をまかなうところが出てきたようだが、発電と蓄電という技術も身近になったお陰なんだろうな。


気づけば、ブログも丸3年が経っていた。
思い浮かぶこと、興味あること、大抵同じだが、とにかく書き続けてきた。
10年日記のように、前のことを読み返し、さて1歩でも前進できているか。
放物線の下降斜度がだんだんきつくなるまでに、下りきった後に登れるような勢いをつけておかなければならない。

 photo by 長崎とある壁のタイル