sawadake-Blog -Third Stage-

今年の春から、また2人となりました・・・

いちび

イチビ(学名:A. avicennae)はアオイ科一年草
飼料作物では、とても困る雑草の一つとして知られている。


高さは1.5mほどになり、独特の異臭がある。
葉はハート形から円形で表面に白い毛が密生している。
夏頃2cmほどの黄色の花が葉腋から上向きに咲く。
果実は半球形で、11〜16の分果が環状に並び、熟すると縦に裂ける。
腎臓型の種子は茶色で毛が密生し、種の皮は硬いため20年近く発芽能力を保持するらしい。
一度地面に落ちると何十年にも渡って発芽し続ける。
また牛の飼料に多量に混入すると牛乳に異臭がつくといった被害が出ている。


とても厄介な雑草。
トウモロコシ生育調査巡回時に、調べてみた。
身長と同じぐらいに伸びたいちびを1本根から抜き取る。
1本に果実は大凡120個ついていた。
果実1つに平均15個の分果がジャバラ状に分かれている。
1分果に、3つの種子が潜んでいる。


従って、3個×15分果×120果実=5400個/本の種子がついている計算。
1坪に1本あるとすれば、平均的な30アールの水田には・・・
500万個の種が落ちることになる。


種の生存率を5%とすれば、25万個翌年残るため、翌年は250倍のイチビが生えてくる。
おそろしや。
この草、手で抜いても茎から汁が出て、ドクダミのような独特のニオイが手に残る。
抜き取らねば、トウモロコシサイレージに混入し、飼料栄養価と嗜好性を大幅に低下させる要因となる。


これが多い畑と少ない畑。
その理由は、除草剤の適期防除と、こまめなテト〜ル作業。
大雑把ではなく、時に繊細な心掛けが求められる。


それにしても、今年のトウモロコシは生育順調。
3メートル近い草丈と充実しつつある子実。
来月の収穫時期が楽しみ。