sawadake-Blog -Third Stage-

今年の春から、また2人となりました・・・

新たなネット農家と思うところ

昨日も朝から晩までネット張り&現地調査。
終業時間には既に眠くなるほどクタクタだ。
それでも、この仕事はやめられないほど農家の反応がビンビン来る。
午前1戸。
智頭方面に行くと、既にネット張り準備万端。
柱を畑に立てて、トラロープも張ってある。
張る前に経営主との談話。
「今年はハエは少なくないですか?」との問いに、
「農家や時期によって様々ですけど」と答える。
肥育牛舎に行くと、これまた今まで見たことがないほどの
各種ハエと昆虫類が飛び交う中、牛はほぼ100%立ったまま。
2時間ほどで従業員も交え2面を張った。
2面だけしか張れない構造だが、かなりの効果確認は期待できる。
さっそく、来年に向けてどうしようかと、案が出る。
現場現場にあった、施工方法を考え、知恵を絞り、
実践して、効果を確認して、また次のことを考える。
このプロセスは、なかなか大変なことや、「これで本当にいいのか」
と悩むこともあるが、何回転かできれば、そんな懸念も喜びに変わる。


午後、和牛界のイニシャルTTさんちに。
昨日は従業員はお休み。
行って最初に、そおぉぉぉぉぉぉぉ〜と、牛に気づかれないように
牛舎内の横臥率を観察。
一昨日より多くの牛が立っていたものの、尾振りなどはほぼゼロ。
牛舎内に流れるクラッシック音楽と相まって時間が止まったような錯覚に陥る。
最近の観察で気づくことは、微睡むように、溶けるように寝ている牛が多い。熟睡状態なんだろうか、近づいてもそのままの状態。とにかくこのうちは牛の落ち着き具合が異次元だ。
そうこうしていたら、父母が軽トラでやって来て、コーヒーを飲みながら雑談。
最近は出荷成績がいい。ネットのせいではないよと釘を刺されるも、横臥してゆったりすることに関しては重要なポイントとして考えているそうだ。
生まれてからの3カ月、肥育に入ってからの3カ月、出荷前仕上げの3カ月、この3つのポイントをどう捉え、どう過ごさせることが出来るか?
牛の成りの変化・推移をどう感じているか。
ネットは、そうしたことの実現のために、牛舎内の底上げに役立つのではないかと思う。


感心の言葉。
「いろいろな視察など、頼まれるから対応しているが、仕方ないと割り切る一方で、見られているという刺激・緊張感が牛舎内環境をつくっている」
「農業のような日々続く仕事は、毎日毎日のほんの少しの積み重ねが後々成果として出てくるから」
「種付けから出荷まで相当な期間、一日一日を少し怠けるか、少し払うお金をけちるか、それが最後に結果になって現れる」
深い、そして周りにも感謝を忘れない。
堆肥はダンプではこび放題。
2日間で堆肥舎は空になっていた。
利用してもらってこっちもありがたいと。


次の一手。
ネット対策は、効果は確認したので、しまい方と来年以降の耐久性にかかってくる。何年かかけて見届けたいし、そのうちに新牛舎で構造検討にかかるだろう。
昨日は、サーモレコーダーを回収しながら、
「その湿度計は天ぷらだ」と指摘をうける。
「牛舎なんかで使用するとセンサー交換が必要になるが高い」と説明。
冬は子牛牛舎で、温度を測ったり、体重などのデータを取りたい。
と話したら、「そうだ、それだ」
と好反応。
ちょうど、冬のカウコンフォート対策をネタに所内予算をどう使おうかと考えていたところなので11月以降はそれで行くことにする。


農家とのコミュニケーション。
自分自身とのコミュニケーション。
家庭内コミュニケーション。
職場内コミュニケーション。
チーム内コミュニケーション。


全てを上手に出来るほど能力は高くないが、
日々たくさんのネタが転がっており、
ちょっと意識すれば、いろいろな課題も見えてくると思う。


「sasibaeって、最近問題になったんですか?」
よく受ける質問なんだけど、私が生まれる前からハエはいたけど、
問題になりつつあるのはここ10年。
牛の能力向上や牛舎構造の変化、堆肥化施設の増加など、いろいろな要因も複雑に関係しているが、
私自身としては、まずは自分が意識することから始まり、気づいたことをみんなに伝え、一緒に考えることでいろんなものが見えて来たように感じる。